(シリーズ お金には始まりがあった)― 3/3

2020年10月12日月曜日

知恵の実

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 【今までの貨幣制度の考え方が覆る?】





タケルは、先輩や同僚の協力を得てある仮説を立ててみた。



黒曜石が重宝された時代に、それを産出する地域の人々は別のコミュニティと食料を交換するようになったと仮定するとします。


黒曜石村の人々は、コツコツと石を掘ります。

毎日掘り続けます。



一方、山菜取の人々や魚取りの人々は不漁の時があります。


ところが、黒曜石村の人々は、別の豊漁の村と取引が出来るのでひもじい思いをする事がありません。


それを見た他の村の人々は、物を提供する方が有利だと気づきました。



様々な村で様々な物が作られ「※1 物々交換」から「※2 物品交換」が主な交易品となって行きます。

※1:主に食料等 ※2:生活必需品



ところが交易範囲の拡大に伴い大きな問題に直面します。


今まで、いも一個と魚一匹の交換が、ある日には、いも一個と魚二匹の交換になっても余ってしまったら鮮度が落ちて交換価値が消滅してしまします。


ですが、同じ物品を作るようになると、たちまち市場にあふれ価値が下がってしまいます。

さらには、粗悪なものまで出てきます。


最大の問題は、一個の品と何個の品を交換すれば良いのか、誰にも分からないと言う事です。


これでは、混乱するばかりです。



ここで、先ほどの黒曜石が出てきます。大変有用で貴重な物です。


黒曜石一個と壺一つと交換します。

黒曜石一個と衣類二枚と交換します。

黒曜石一個とお皿三枚と交換します。


そう、黒曜石が、交換の指標として認知され出したのです。

これに伴い、交易は拡大しその地域一帯は、豊かになって行きます。


これが、ある地域では、クリスタルであったり、美しい貝殻であったりと世界各地で同時期に発祥した事でしょう。



これが、貨幣制度の始まりです。



ところで、クリスタルと貝殻は交換しませんか?

なんだか金融の始まりの様な匂いがしますね。


その事は、またの機会に。


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