ふつう、速度を測るには「2か所の間を通過した時間を計測する」などの方法が用いられます。でも、光の速度は速すぎるので、このような方法で測るのは困難です。
そこで、地球が太陽の周りを動いていることを利用して、科学的方法で最初に光速度を求めたのがデンマークの数学者オーレ・レーマーです。彼は1676年、木星の衛星が衛星本体によって隠される現象(衛星の食という)のタイミングから、毎秒21万4300kmという値を出しています、
その後の1849年、フランスの物理学者アルマン・フィゾーが、毎秒31万5300±500kmという値を発表しました。このときは、8.6kmほど離れた場所にある鏡で光を往復させ、その通り道に歯車をいれて光をさえぎる方法でした(図ア)。歯車が充分に速く回転すれば、歯の間から鏡に向かった光が反射して帰ってきたとき、次の歯車によってさえぎられます。このときの歯車の回転数から、光の速度を計算したのです。
似たような原理で、回転する鏡を利用する方法もいくつか考え出され、1926年にはアメリカの物理学者アルバート・マイケルソンによって、毎秒29万9796±4kmという値が測定されています。
現在(1983年以降)、光の速度は毎秒29万9792.458km(真空中)とされていますが、これは20世紀後半に、レーザー光の波長と周波数を精密に計測して掛け合わせることで求めた値です。なお、最近ではごくわずかな時間も正確に計測できるようになったので、図イのような装置で、実験室中でも光速度を測れるようになっています。
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